2016年10月30日日曜日

白老ポロトコタンへフィールドワークに行ってきました

10月29日(土)、白老にあるポロトコタン、アイヌ民族博物館にフィールドワークに行ってきました。
参加者は5名。札幌から、都市間高速バスで苫小牧経由白老コタン前まで、バスで行きました。
バス停からは、線路を超えて徒歩5分程度。



入口を入ると、コタンコロクルの像が迎えてくれます。
高さ16m。奈良の大仏や登別温泉の赤鬼像と同じ高さです。強化プラスチックで作られています。
コタンコロクルとは、村のリーダーという意味です。右手にはイナウを持っています。
リーダーの条件は、口が達者であること、勇敢であること、イケメン(シレトク)であることだそうです。


学芸員の方に、アイヌ博物館の展示について、ガイドしていただきました。
博物館に入る前に、北海道犬と熊檻を通りました。
携帯電話会社のCMで有名なお父さん犬カイくんの娘の夢ちゃんです。


ヒグマの陸くん(平成11年生まれ)はとてもお利口さんです。里に出て人間に捕られる熊が良い熊(人間の役に立つ)とされているそうです。



アイヌ民族博物館の展示の一部です。
アイヌとは、「人間」を意味する言葉で、「カムイ」(自然界すべてのものに心があるという精神に基づいて自然を占める呼称)に対する言葉です。とても興味深いのは、神様にもいろいろな性格があり、人間よりも喜怒哀楽が激しいと考えています。時には、悪い神様には人間が文句を言うこともある。つまり、人間と神様はほぼ対等と考えているということです。また、神様の格は人間にどれだけ役に立つかで決まるという考えです。コタンコロカムイ(村の神)とされるシマフクロウは、熊よりもえらいのだそうです。


こちらは、「イナウ」。神様への捧もので、ミズキや柳で作ります。神様が人間に良いことをしてくれるのは、このイナウがほしいからだそうです。また、このイナウは、男性が作るもので、薄いものが上等とされます。ただし、完璧すぎると神様が嫉妬して、人間に良くないことをするので、少し神様が手を加えると完成するものが、良いイナウなのだそうです。




お昼は、アイヌ伝統料理をいただきました。
・チェプオハウ(鮭と野菜のスープ)
・メンクルチサッスイェプ(イナキビ入りのご飯)
・チマチェプ(サケの串焼)
・シト(団子)
・エントウセイ(ナギナタコウジュのお茶)
ご飯は、塩味。スープは塩と油(サラダ油)で味付けされています。
塩気がある分、お茶がより甘みを感じました。
どれも美味しくて、ご飯とスープはおかわり自由だったので、おかわりしたいくらいでした。




アイヌの古式舞踊も見学しました。
リムセは、踊りに合わせて歌われる歌とその踊りをいいます。


トンコリは、弦楽器。とても優しい音色です。


ムックリは、口琴という楽器の一種で、物語の情景や人の感情を表現するそうです。マイクを通すと、とても力強く、心に響いてくる音。個人的には、とてもプリミティブで前衛的な音に感じました。


その他、木綿布と被り物の貸衣装も体験です。ちょうど札幌から着ていた留学生たちが、衣装を来て、写真撮影を楽しんでいました。


チセ(住まいの外観)


チセの内部。1年中火を焚いています。座る場所は厳しく決められています。
東側は神様が出入りする窓。そこと囲炉裏の間には、家の夫婦が座ります。こどもは左側に座ります。





ポロトコタンとは、大きな湖の村という意味。つまり、このコタンは、ポロト湖の隣にある村です。
この日は、とても風が強かったです。



あっという間に滞在時間3時間がすぎてしまいました。アイヌのすばらしい文化に触れることができ、とても充実した時間をすごせました。
今回は残念ながら、時間がとれませんでしたが、トンコリの演奏体験や、ムックリの制作や演奏も事前予約して、体験することができます。ポロトコタンをまた訪れる機会には、是非体験したいと思います。